八百屋が教える市場取引④〜常に疑心暗鬼!?鮮度の良い商品を手に入れるには〜

 今回のブログでは、買参権を取得するメリットである”鮮度の良い品物を買える可能性が高くなる”というメリットと”競売(セリ)に参加できるので、その時々で発生する投げ売り品などを安価に購入できる”という2つのメリットについてお伝えします。

 卸売事業者は原則として、入荷した青果物を数日以内には必ず販売する(在庫を極力持たないようにする)という卸売会社内の暗黙のルールが存在しています。

 もちろんこれは、青果物の種類や季節によっても異なるのですが(例えば、ある程度市場に置いておいても鮮度が落ちないかぼちゃやジャガイモなどの商品は市場で比較的長い期間在庫として置かれることがありますし、夏よりも冬の方が青果物の劣化が遅いため、季節によって在庫として抱えられる期間も変わってきます)、原則はできるだけ在庫を抱えずに早く仲卸や売買参加者へ販売してしまうというものです。

 仲卸業者も基本的には在庫をできるだけ抱えずに早めに販売したいということは変わらないのですが、たくさん仕入れた商品が予想外に売れない、将来の相場の高騰を見越して大量に仕入れていた商品が予想外に相場が上がらず、高値で購入した商品を大量に在庫として抱えてしまっているなどの状況がよく発生します。

 そうした商品は、正直にそうした事情を説明して仲卸業者が販売することもあれば、さも今朝しいれたかのように黙って販売されることも多々あります。

(経験を積めば、こうした商品の見極めができるのですが、野菜やくだものの種類によっては仕入れ時には問題がなさそうに見えても、少し時間が経つと急速に色が変色するものも存在します)

 例えば、仲卸から仕入れた朝の時点では元気な緑色だったブロッコリーが、半日たったら黄色く変色していた(ブロッコリーは鮮度が落ちると花の蕾(一般的に食べられている部分)が咲いて黄色くなる)などということも過去に結構ありました・・・。

 もちろん、こういう場合、原因が仲卸業者ではなく、卸売業者や産地(出荷者)側にある場合もあるので本当に難しいです(涙)何度市場で疑心暗鬼になったことか・・・

 余談はさておき何がいいたいかというと、一般的な傾向として、プレイヤー(仲卸業者)を多く挟むよりは、直接卸売会社から仕入れた方が、鮮度は高いものを買える可能性が高いということです(当たり前のことですが)。

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 <じゃがいもが10kgで10円!?セリ取引について>

 最後に買参権を取得するメリットの3つ目である、”競売(セリ)に参加できるので、その時々で発生する投げ売り品などを安価に購入できる”というメリットについてです。

 上記②で説明したような事情から、たまに在庫一層セール的な感じで卸売会社から競売という形で野菜や果物が販売されることも多く、こうした場合には競合となる他の八百屋さんにもよりますが、通常の卸売場で販売されている定価よりも大幅に安い価格で商品を仕入れられることが多いです。

 例えば、ジャガイモの在庫が多くなりすぎた際、少し芽がでたジャガイモがセリにかけられ、10kg/ケースのジャガイモが1ケース10円で落札されるようなケースもたまにあったりします(産地からの輸送コストの方が高つくのだが、廃棄コストなどを考えると市場も産地も10円でも引き取ってもらいたいというロジックが発生します)。

 たまに激安の八百屋があったりしますが、裏側としては、こうした野菜を店舗で処理することで(ジャガイモの場合、芽をとるなどして)驚くような安値で(例えばじゃがいも1kg100円など)小売販売しているのです。

 以上、市場での仕入れについてまとめると下記の通りです。

○ “市場仕入れ”は、卸売会社から直接購入する”卸売場での仕入れ”と、主に仲卸業者から購入する”仲卸売場での仕入れ”の大きく二つが存在する。

○ 仲卸売場は一般の人でも仕入れができたりするが、卸売場では”買参権”を持った事業者(または個人)しか仕入れができない。

○ 買参権取得のためには、組合(特に組合の長的な存在である組合長)の審査をパスする必要がある

○ 場内市場で仕入れをするメリット(買参権を取得するメリット)としては下記の通り
① 仲介業者の手数料を支払うことなく、直接卸売会社から購入できるので仕入れコストが安くなりやすい
② 仲介業者を通さないので鮮度の良い商品を仕入れやすい
③ 競売(セリ)などに参加できるので、場合によっては安価な商品の仕入れが可能であるということがあげられる。

 次回は、実際に買参権を持った八百屋が朝市場へ行ってどのようなやりとりをしながら仕入れをしているのか、仕入れのポイントは何かなど、市場で毎朝繰り広げられる人間ドラマ!?について自身の経験を踏まえた具体例とともにお伝えしていきたいと思います。